新たなホームでは、毎日大量の朝食を作ります。
・食パン
・ヨーグルト
・豆腐
・豆
・野菜
・きのこ
少なくとも、以上の6点は毎朝必ず出さないといけません。たまごやベーコン、ハムなど他の食材をプラスしてもかまいません。
量も多くて、たとえば豆腐は、利用者4人に対して3丁使う決まりです。
朝食の品数や量はホームリーダーの方針なのですが、リーダーいわく「うちの利用者さんは便秘になりやすいから」とのこと。
野菜やきのこ、豆をたくさん食べなければ便秘になると考えているようです。
朝食が多いので、利用者Bさんはよく残すのですが、研修のときにリーダーが「食べな出えへんから食べて!」と、スプーンをBさんの口元に持っていって、ほぼ無理やり食べさせていてびっくりしました。
虐待……という文字が頭をよぎってしまいました。
リーダーからは「Bさんはいつも残すけど、食べるように声かけしたら食べてくれるから」と言われました。
Bさんは処方された便秘薬を飲んでいますし、看護師に摘便してもらうこともあるので、そこまで無理に食べさせる必要はあるのか……
そもそも、介護施設でも朝からこんなに大量に食べさせないです。
ネットでさまざまな特養の朝食を調べてみたのですが、もっと品数や量が少なかったので、紹介したいと思います。
・特養M:パン、たまごサラダ(サンドイッチに入っているようなやつ)、黄桃の缶詰、ジュース
・特養K:食パン、カリフラワー煮、ゼリー、牛乳
・特養S:食パン、みかんの缶詰、キャベツ炒め、牛乳
このように、火を使って何か作るのは1品だけで、後は缶詰のフルーツやゼリー、牛乳など、さっと出せるものを提供しています。
民間の高級有料ホームなら、商売なので、集客のために食事を豪華にして売りにするのもわかりますが、税金で運営されているホームは簡素なものです。
障害者グループホームも税金で運営されているので、正直そこまでする必要ある? と私は思っています。
そもそも、ここは自立支援のためのホームであって、ホテルなどおもてなしの場ではないので。
一般家庭でも朝からそんなに大量に作らないです。というか、仕事してたら作れませんよね。
責任者に新たなホームの朝食について聞かれて答えたことがありますが、責任者でさえ「そんなにたくさん作らなくてもいいんですよ」と言っていました。
リーダーは、障害者グループホームをおもてなしの場だと捉えているみたい。
たとえば、Bさんは高齢で手が震えて食器が持てないことがあります。とくに大きいお皿を持つと手が震えて、落としそうになります。
そのため、食事作りの研修のとき、リーダーに理由を説明して「小さいお椀に分けて提供しても良いですか?」と聞きました。
そしたら「それは見た目が悪くなるからやめて。大皿で提供して、食べるときに小皿に取り分けてあげたらいいやん」と言われ、びっくりしました。
……見た目とは?
そもそも、小さいお椀の見た目の何が悪いのかわかりませんでしたが、口答えしてると思われても嫌なので、コメントは差し控えました。
別に食べるときに取り分けてもいいですけど、新たなホームは一人勤務なので、利用者さんの食べるタイミングで私も食事をするわけです。
さらに、食事中に利用者Aさんがむせることがあるので、支援員はAさんと一緒の部屋にいることになっています。
利用者Aさんがむせたら、背中を叩いたり応急処置をしたりしなければなりません。
しかも、取り分け用の小皿は1つしかないので(Bさんの机が狭いため1つしか置けない)何度も取り分けないといけません。食事中にBさんに「取り分けて」と呼ばれる度に、Bさんの部屋へ行って取り分けろってことですよね?
別に仕事だからやりますけど、そこまでしてわざわざ支援員の仕事を増やす?
最初からBさんの料理を小皿で提供したら、Bさんも支援員を呼ばなくてもいいし、好きなタイミングで好きなものを食べられるのでは??
これが世にいうキラキラ系っていうやつやねんなって思いました。
個人的には、別にリーダーのことは嫌いではないですよ。
話していて、支援員に気を使っているなと感じることもありますし、そこまでキツい言い方や命令口調はしてきません。ま、同じパートですし。
ただ、リーダーには「理想の支援」はこれというものがあって、それが私には???と感じることが多いです。