現在、実務者研修を受けに行っています。
初任者研修のときの受講生は全員が介護未経験でしたが、実務者研修となると現場で働いている人たちが圧倒的に多いです。
実務者研修では「介護過程」と「医療的ケア」を習います。介護過程ではケアプランを作成したり、片マヒの人の支援実技を行い、医療的ケアでは喀痰吸引の方法を学びます。
支援の実技で、グループに分かれてポータブルトイレの介助を行っていたときのこと、講師から正しい介助法を教えてもらいました。
まず、利用者の自室が個室であっても、利用者がトイレをする際は局部を隠すようにバスタオルをかけること。
そして、利用者が用を足し終わったら、その手をぬれタオルで拭いてあげること。
私も障害者グループホームでポータブルトイレの支援をしていますが、バスタオルとぬれタオルについては教えてもらったことがなかったので、障害ではなく介護の現場にいる受講生たちに、現場ではこの2つを使っているのか聞いてみました。
すると、誰1人使っている人はいませんでした。
人員配置がギリギリで忙しいので、そこまでできないとのことでした。
よっぽど高級な有料老人ホームならしているのかも(?)しれませんが、普通の施設ならできませんよね…
国は介護の質を高めたいのかもしれませんが、現実問題として無理だと思います。
また、講師は利用者の尊厳を守ることの大切さを何度も説いていましたが、それに対しても少し違和感を覚えてしまいました。
そもそも、介護職員の尊厳は守られてます? 利用者の暴言・暴力やセクハラに対して、泣き寝入りするしかない現状じゃないですか?
介護職員の利用者に対する暴力はすぐにニュースになるのに、その逆は全然ニュースにならないのっておかしくないですか?
実際、私も身近なところでいろいろ聞きますが(訪問介護の利用者から包丁を突き付けられたとか、利用者が訪問看護師に対して睡眠薬を盛ったとか)、役所に報告しても刑事事件やニュースにならないのはおかしいと思います。
もし、介護職員が利用者に対してこういうことをしたら、すぐにニュースになりますし逮捕されますよね。
まるで、介護職員と利用者は同じ人間ではないみたい。
介護職員からすると、なんで自分たちの尊厳が踏みにじられてるのに、利用者の尊厳ばかり気にしないといけないのって感じじゃないですか?
実務者研修はためになることも多いですが、個人的に少しモヤモヤしてしまいました。